特設コーナー:バージェスの三葉虫型類・マルレラ
〜足の羽状の繊毛まで見えます〜


なかなか素晴しい保存状態のマルレラが手に入ったので公開します。
触角がちゃんと残っているのもさることながら、最大のポイントは、
脚から生えた羽毛状構造がはっきりと見えることです。すごいなぁ。

種名:マルレラ・スプレンデンス/Marrella splendens WALCOTT, 1912a
分類:節足動物門・三葉虫型綱(三葉虫ではなく三葉虫に類似したグループ)
産地:カナダ、ブリティシュコロンビア州、バージェス頁岩、ステファン累層
Formation and Location: Stephen Formation, Burgess Shale, British Columbia, Canada

さすがはバージェス頁岩、保存状態としては最高だと思います。私の
持っているマルレラ5個体の中でもここまで細かい部分がわかるのは
これだけです。せっかくなので写真も少々大きめにしておきました。
実は左半分が不完全だったせいか結構安く売りに出ていました。いい
買い物だったと思います。ちなみに、私の持っている他の個体の中で
角の部分の縁にある細かい模様が見えるものもあるので、そのうち別
の機会にこのページに追記して紹介しようと思います。お楽しみに。



コラム番外編:マルレラさんの近況

マルレラというとかつてはバージェス頁岩のシンボルのような化石で、
バージェス頁岩を世に知らしめたC.D.ウォルコットが「山道を行く馬が
つまづいたので、その石を手にとるとなんとも優雅な姿をした節足動物
の化石があった。」とかいうまことしやかな伝説がある生物です。最近
はアノマロカリスやオパビニア、ハルキゲニアなどの方が知名度が高い
ようで、雑誌ScienceやNatureでも話題に上る機会はほとんどありませ
んかでした。ところが、つい先日のNatureのbrief commentationの欄
で「脱皮中の節足動物の化石」としてカラー写真入の記事になりました。

D.C.Garcia-Bellido & D.H.Collins, Nature Vol.429, 6 MAY 2004, p.40

脱皮殻ではなく、「脱皮中」いうところがミソです。こうした節足動物
が現生種と同様に脱皮によって成長していたことの、まさに「動かぬ証
拠」というわけで、「さすがバージェス頁岩」と思わせる記事でした。

おっと、今回は写真はなしです。無断転載するわけにもいかないので。



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