蝙蝠石(コウモリ石)

種類:ドレパヌラ(Drepanura)、ブラックウェルデリア(Blackwelderia)、
アグノスタス(Agnostus)、他
産地:中国山東省臨泝泝山(Mt.i,Lin-i,Shantung,China)
時代:古生代(Paleozoic)カンブリア紀中期(Middle Camblian Period)
約5億3000万年前(530million years ago)

中国の三葉虫の化石で、複数種の遺骸や脱皮殻が集積したものです。
華麗な刺を持ったドレパヌラらの尾板や断片が、あたかもコウモリが
群れ飛ぶような様子となるため、このような名前で呼ばれています。

どうです? そう言われるとコウモリの群れに見えてくるでしょう?
不思議ですねぇ。それでは、部分ごとに見ていただきましょう。

これはドレパヌラの一種(Drepanura sp.)の尾板部分です。

こちらがブラックウェルデリアの一種(Blackwelderia sp.)の尾板です。

体節部分もちょうどこっちに向かってくるコウモリに見えます。

これは、はばたいて羽を打ち下ろしたコウモリに見え
ます。背景も小さいコウモリが群れている感じです。
ところで、この部分は種名がどうにも分かりません。
小さな尾板に刺が2本。レドリキアの類でしょうか。

こんなところにも小さなコウモリちゃんがいました。
すぐ下にいる丸いのはアグノスタス目(Agnostida)の
未定種です。アグノスタス目はカンブリア紀からオル
ドビス紀に生息した小型三葉虫ですが、三葉虫綱から
硬殻類に分類変更されるという動きにあるようです。



本当は「元祖コウモリ石」といったら中国遼寧省長興島なのですが、
ここに載せたものは私の手持ちの中では名前の由来を示す特徴が顕著
で、もっとも美しい絵になっているもので気に入っている化石です。

これと同じ山東省臨泝の産のもので、他のものは標本としてより細部
を見ようと思いクリーニングをかけたり削ったりしたのですが、これ
は絵として美しかったので、ここまでクリーニングして止めました。


コラム2:安いデジカメでも大丈夫!
〜カシオQV-10Aで小技を使って撮影してます〜

このコーナーで使っている化石写真ですが、カシオのQV-10A
で撮影しています。とはいっても、単焦点のQV-10Aでは精細
な接写は不可能なので、レンズ部にルーペを被せたり、大きめ
の虫眼鏡を可動アームに固定してそれを通して撮影したりして
ます。上の最後の写真 Bat_stone009.JPGにあるドレパヌラ
の尾盤 は幅7.0mmです。QV10Aでこれなら上出来でしょう?

ちなみにこのホームページの編集作業に使っているパソコンは
Macintosh Quadra 840AVです。古いけどこれが現役です。

ビクセンのルーペで、x3、x4、x5の3枚のレンズがついています。
これを直接QV-10Aのレンズに被せて手で固定し撮影しています。
3枚のレンズの組み合わせで倍率も色々に変えられるので便利です。

虫眼鏡と固定用のクランプ付きクリップです。ライティングは
普通の蛍光灯のスタンド(ナショナルANDON)を使っています。
余談ですが、このスタンドのデザインとても気に入ってます。



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